肝臓外来とは
当院は肝臓専門医が在籍しB型肝炎、C型肝炎の助成制度を受けて治療が行えるクリニックです。肝臓外来ではガイドラインに準じてB型肝炎やC型肝炎に対する抗ウイルス療法だけでなく、最近増えてきている非アルコール性脂肪肝炎(NASH)など生活習慣に関連した疾患にも対応しています。また肝炎ウィルスの治療は、他院での治療後でも発がんのリスクから経過観察が必要な場合が多い為ご相談いただければ当院で経過観察も可能です。
急性肝炎
急性肝炎にはさまざまな原因によるものがあります。A型急性肝炎は海産物などの摂食、B型急性肝炎のほとんどは性交渉、E型急性肝炎はイノシシ・シカ・ブタなどを生肉摂食することで起こります。また薬剤性の急性肝障害や自己免疫性肝炎急性増悪などが突然発症するケースもあります。急性肝炎は黄疸が症状として現れることが多いのが特徴で、ほとんどの場合入院して治療を受ける必要があります。
B型肝炎
助成制度を利用した薬物療法が受けられます。使用する薬剤は経口抗ウイルス剤のエンテカビル(バラクルード)・テノホビル(テノゼット)・アデホビル(ヘプセラ)・ラミブジン(ゼフィックス)です。また35歳未満の方などではペグインターフェロン治療も選択できます。
C型肝炎
助成制度を利用して薬物療法を受けられます。2015年9月よりC型肝炎は経口剤のみによる治療も保険適用となっています。なお治療期間は概ね3ヵ月間の服用となります。治療効果がとても良いだけでなく、インターフェロン治療でよくあった強度の副作用がほとんどの方に現れないという特徴があります。
自己免疫性肝障害
自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎などがあります。どちらも難病指定されており、治療費などが公費負担となる場合があります。自己免疫性肝炎では軽症の場合にウルソ治療を行い、増悪期である場合にはステロイドやアザチオプリン治療から適したものを選択します。原発性胆汁性胆管炎は基本的にウルソの内服治療です。
アルコール性肝障害
線維化進展例は発がんリスクが高いので厳重な経過観察が不可欠になるため、現在の肝予備能や肝線維化進展度を把握することが重要になってきます。有効な治療法はただ一つ禁酒のみですが、禁酒困難な方は近くの病院への紹介を行っております。
薬剤性肝障害
市販薬を含む薬剤は肝障害を引き起こす危険性を必ず持っており、これはサプリメントにもあてはまります。薬剤性肝障害ではまれに劇症化して死に至る可能性がありますので、医師の処方していないお薬やサプリメントをあまりむやみに飲むということはとても危険なことなので注意が必要です。
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
脂肪肝は過度の飲酒だけが原因で起こるものではありません。肥満などによって脂肪肝が進行すると非アルコール性脂肪肝炎(NASH)になることがあります。治療の基本は減量であり食事療法が重要になってきます。非アルコール性脂肪肝炎は生活習慣に起因するため、近年増加傾向にあります。